ファスナー部分が壊れた場合の靴修理

お気に入りの靴というものは、履く回数が多いからこそ破損する可能性も高いです。靴はその人それぞれの靴の履き方によって、どのような部分が壊れていくかは、それぞれ異なります。様々ある靴の破損の中でも、ファスナー部分が壊れることも多いです。ファスナー部分がなぜ壊れてしまうのか、そしてファスナー部分の靴修理について紹介します。

 

ファスナーのある靴とその破損理由

ブーツ靴は、底の部分の擦り切れからはじまり、かかと部分のすり減り、履き口の破れやよれ、そして落ちない汚れなど、様々な理由によって様々な部分が破損します。これらは個人で修理することは難しく、靴修理の専門家に任せる必要があります。靴修理が必要となる部分は、おおよその傾向があり、そのひとつがファスナー部分です。

ファスナーがある靴は様々あります。丈の長いブーツなどをはじめとして、デザイン性の高い靴やサンダル、トレッキングシューズなど足と靴をできる限り一体化させたい靴などにファスナーはよく使用されます。単にデザインを目的として装着されているものであり、履く際に使用しないならばファスナーが壊れてもファスナー修理は必要ありません。しかし、そうでないならば履けなくなるので修理が必要です。

ファスナー部分は、靴底や履き口などといった壊れやすい部分の中でもとくに破損しやすい部分に該当します。その理由は、ファスナーが靴を履いたり脱いだりする際に常に上下させて負担をかける部分であるからです。また、単なる飾りとしてのファスナーであっても、引っかかったりして破損することもあります。さらに、最大の理由としては、安いファスナーが使用されているということです。レディース向けの靴というものは、流行ものとして販売されていることがほとんどです。毎年履くことを想定して作られているのではなく、一年、あるいは一年のうち数か月だけ履くことを想定して作られています。このこともあり流行ものの靴は耐久性よりも、できるだけ安くコストを重視して作られているため、安いファスナーを使用しています。そもそも長く使用することを考えられていないので、すぐ壊れてしまうというわけです。

ファスナーの種類とその破損の種類

ファスナーは、スライダー部分を上げ下げすることによって、開閉をする構造となっています。この構造をつくりだすために、ファスナーには様々な部品によって成り立っています。それぞれの部品には名称がついており、この中のどの部分が破損しているかによって、そのファスナー修理の方法や修理期間、費用などが異なります。ファスナーを開閉するための部分がスライダーです。この部分が無ければファスナーは機能しません。そのスライダーにくっつき、手に持ってファスナーの開閉をする部分が引手です。最もデザイン性に優れていると言っても過言ではありません。そして、ファスナーの最も重要な部分である開閉部分のことをエレメントと呼びます。小さな部品が噛み合うことによってファスナーの開閉が可能です。さらに、そのエレメントを支えている土台となる部分をテープと呼んでいます。そして、ファスナーの始まり部分が下止、ファスナーの終わり部分が上止です。

一口に靴のファスナーと言っても、靴に使用されているファスナーには様々な種類が存在しています。スライダー部分のデザインだけが異なっているというわけではありません。基本的には、エレメント部分の素材によって種類分けができます。エレメント部分が金属でできている金属ファスナー、コイル状の樹脂でできている樹脂ファスナー、樹脂製のエレメントが土台となるテープの部分に射出成型されているビスロンファスナーの3つがそれに当たります。この種類により、破損の種類も異なれば、修理方法も異なります。

ファスナー修理として靴修理の専門家へと持ち込まれる中で、最も多い破損の種類は、スライダーの引手部分の損失及び破損です。ファスナーを開け閉めする際に、スライダーの引き手部分をもって行うのですが、この部分は負担がかかりやすい部位であるので、いつの間にか無くなっていたり、壊れて・噛み合わせが悪くなり動かなくなっていたりといった破損が最も多いです。また、エレメント部分が切れてしまい、ファスナーが動かなくなってしまったという破損もあります。さらに、エレメント部分が噛み合わなくなり、ファスナーを閉めても閉まらないという故障もあります。

 

ファスナー部分の修理

様々あるファスナーの破損に合わせて、ファスナー修理も様々あります。破損の度合いにより、修理の方法も異なっています。また、靴のファスナー修理は、一般の人がやろうとすると難しいです。その工程が難しいということもありますが、靴の修理を本格的に行おうとした場合には、靴修理・製作に専用のミシンが必要となるからです。ファスナー修理が必要となったならば、靴修理の専門家へと預けることが最も勧められます。

ファスナー修理は、必ずしもファスナーのすべてを取り換えなければならないわけではありません。引き手部分が無くなったり、スライダー部分が動かないといった破損があった場合、スライダーを交換すれば修理が完了します。スライダーの交換は、まず上止を外します。古いスライダーを外した後に、新しいスライダーを取り付け、新しい上止を取り付けて終わりです。修理屋の混み具合などにもよりますが、2週間・2000円ほどで修理可能です

エレメント部分が破損してしまった場合でも、ナイロンファスナーの糸が切れているだけの場合は、ファスナーの取り外しをする必要はありません。コイルの糸を部分的に縫うだけで修理できるので、一か所3センチメートルほどが2000円ほどでできます。しかし、ファスナー全体を交換しなければならないことももちろんあります。ファスナー全体の交換をする際、糸をほどき新しいファスナーを縫い付けなければなりません。その値段は、ショートブーツ片方でおよそ4000円ほど、ロングブーツ片方で5000円ほどです。

取り換えだけではないファスナー修理

靴修理の専門家に依頼できるファスナー修理は、壊れたファスナーの修理だけではありません。もともとファスナーが取り付けられていない靴やサンダルにファスナーを取り付けたいという場合にも、ファスナー修理で依頼すれば取り付けてくれる場合もあります。ファスナーは、デザインのために取り付けることもありますが、ファスナーの着いていないロングブーツが履きにくい場合などに取り付けると非常に便利です。

ファスナーの取り付けは、その靴の形などによって工程が異なります。靴によっては、ファスナーをただ付けることによってより履きにくくなってしまうこともあるので、ファスナーの他に布や革を取り付けてからファスナーを取り付けることもあります。ファスナー取り付けにかかる値段は、取り付けるファスナーの長さなどによって違い、ファスナーの長さが20センチメートル以下ならば片方4500円ほどで、20センチメートルを超すと、ファスナーの長さに150を掛けた値段にプラスして、ファスナーの裏側にあてがう革部分の費用1000円ほどがかかるようです。

ファスナー修理は便利な方法ですが、すべての靴のファスナー修理が可能なわけではありません。靴全体が傷み、布・革に糸が通らないような状態ならば修理は不可能です。

ファスナー修理で長く履く

愛用の靴はできるだけ長く履き続けたいものです。負担がかかりやすいファスナーの部分が壊れてしまったからと言ってすぐにあきらめる必要はありません。スライダーや引手部分、エレメント部分などと、破損の種類も様々ありますが、ファスナー修理の方法も様々あります。値段も一概にいうことはできませんが、諦めてしまう前に靴修理の専門家に一度依頼してみることがおすすめです。